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筑波大 総合選抜・文系を徹底解説!入試難易度は?移行は大変?

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加藤 夕貴

こんにちは!

筑波大生専門アパート情報サイト「つくいえ」編集部です。

筑波大学で2021年度から新設された総合学域群。専門学群・学類とは異なり、受験の時点では大学4年間で専攻する学問を決定せず、大学1年次にさまざまな授業を履修してから、2年次から専門学群・学類へ「移行」し、専攻を決定することができる画期的なシステムです。

今回はそんな筑波大学の総合学域群のうち126名が入学する「総合選抜・文系」区分についてご紹介いたします!

・総合学域群の入試形態「総合選抜・文系」ってなに?
・「総合選抜・文系」の入試科目や難易度が気になる!
・学類、専門学群入試とどちらがいいのだろう?

総合学域群の入試区分のうち「文系」についてまるっと解説しているのがこの記事です。大学公式からの情報はもちろん、現役筑波大生の視点で総合学域群・文系の入試の実態を詳しくお伝えいたします。ぜひ最後までお読みくださいね!

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1. 総合学域群 総合選抜・文系 の受験概要

筑波大学では、「総合学域群」の入試として「総合選抜」があり、そのなかに「文系」「理系Ⅰ」「理系Ⅱ」「理系Ⅲ」という3つの区分を設けています。

この記事では「総合選抜」の「文系」について解説しているというわけです。
では、総合選抜・文系の定員と志願倍率を見ていきましょう。

・定員
126名(前期一般入試のみ)
総合選抜では推薦入試・後期入試ともに実施されておらず、前期一般入試で126名を一括して募集しています。

・志願倍率

2024年度

2023年度

2022年度

2021年度

前期一般入試

3.3

2.5

3.0

2.0

波はありつつも、全体の傾向として倍率が上昇していることが読み取れます。

総合学域群は2021年度に創設されました。初年度は倍率2倍と、専門学群・学類選抜よりも合格しやすそうにも思えます。しかし、年々その知名度や制度の魅力が広まり、受験生も増加しているようです。2024年度の3.3倍という数字は、ほかの文系受験が可能な学類と比較して、標準的な難易度であると言えそうです。このようなデータに加え、総合学域群の人気上昇を鑑みても、今後は「目指す学類は決まっているが、専門学群・学類入試で合格する自信がない」という理由で総合選抜を選択することはあまりお勧めできません。志望学類よりも倍率が低くなるという保証はできないからです。

ですので、

・総合学域群のシステムに魅力を感じるか、総合学域群のシステムとの相性
・共通テストの配点や二次試験の科目数が自分の得意不得意にあっているのか

このような点に注意して、総合選抜と専門学群・学類入試のどちらを受験するのか決定していくとよいでしょう。

つぎの項からより詳しく、「総合選抜と専門学群・学類入試どちらがよいのか」について解説しています!もっと知りたいという方はぜひ記事の最後までお付き合いください!

2.総合学域群 総合選抜・文系 の入試科目

総合選抜・文系の入試ではどのような科目を選択できるのでしょうか。

総合選抜を受験するべきか検討する際に、自分のやりたいことや描く将来像、性格と、「専攻する学問を大学2年生で決定する」総合学域群との相性がよいのか、という点も非常に重要です。しかし、合格しなければ捕らぬ狸の皮算用に終わってしまうことも事実。実際、筆者の友人にも「○○学類に行きたかったけれど、合格できるか不安だったので総合選抜で入学し、2年生で希望していた○○学類へ移行できた!」という人がいます。逆に、筆者はいくつかの学類で迷っていましたが、総合選抜で合格する自信がなく、二次試験の出願直前まで迷った末に決定し、いまの所属学類へ無事合格できました。

筑波大学の受験では、学類ごとに選択できる入試科目に特徴があるため、倍率や偏差値表だけを見ていても自分に適した入試がわかりにくいのです。

そこで、この項では総合選抜・文系の入試科目はもちろん、他学類とも比較して解説していきます!

「共通テストの配点や二次試験の科目数が自分の得意不得意にあっているのか」という観点から、総合選抜と専門学群・学類入試のどちらを選択するべきか考えるひとつの材料になればと思います。

◇共通テスト

6〜7教科8科目(950点満点)

必須/選択

科目

配点

国語

必須

国語(現、古、漢 ふくむ)

200

数学

必須

数IA、数ⅡBCの2科目必須

200

理科

必須

「基礎科目」2つ

または

「発展科目」1つ

「基礎科目」

物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎から2科目

「発展科目」

物理/化学/生物/地学から1科目

100

外国語

必須

英/独/仏/中/韓から1科目

「リスニングを課す]

200

(リスニング:40)

情報

必須

情報Ⅰ

50

社会

必須

【地歴】、【公民】、【地歴公】から2科目選択

【地歴】

地理総合・地理探究/歴史総合・日本史探究/歴史総合・世界史探究

【公民】

公共・倫理/公共・政治・経済

【地歴公】

地理総合・歴史総合・公共

200

◇二次試験

3教科(1500点満点)

必須/選択

科目

配点

国語

必須

論理国語・文学国語・古典探究

500

外国語

必須

英/独/仏/中から1科目

500

社会

選択

地理探究/日本史探究/世界史探究/倫理から1科目

500

数学

選択

数I・数A(図形の性質・場合の数と確率・数学と人間の活動)・数Ⅱ・数B(数列)・数C(ベクトル)

500

総合選抜・文系の入試科目の特徴として、筑波大の文系受験が可能な学類のなかで、比較的自由度が低く受験しなければならない科目が多いという特徴があります。

参考までに文系受験が可能な他学類のうち総合選抜・文系と比較して特徴的な入試科目を以下に示します。

・人文文化学群
二次試験で数学の選択ができない。必須の国語と英語、地歴公民から1科目選択の計3科目。

・社会学類
共通テスト数学が1科目のみで受験可能。数1のみ、数1Aのみ受験などができる。
二次試験は必須の外国語と、国語・地歴・数学から1科目選択の計2科目。

・国際総合学類
共通テスト社会が1科目のみで受験可能。
二次試験は必須の外国語と、国語・地歴・数学から1科目選択の計2科目。

・人間学群
共通テスト社会が1科目のみで受験可能。
二次試験は必須の外国語と、国語・地歴・公民・数学・理科から1科目選択の計2科目。

人文文化学群は筑波大学の文系受験が可能な学類のなかで最も自由度が低く、科目数も多いです。しかし、文系科目に自信があり、数学など理系科目が苦手な受験生に有利でしょう。

その理由として、筑波大の筑波大の二次試験のうち文系数学は標準的な問題が出題されることが多く、問題にくせがある社会科目に比べて高得点を得やすい傾向があります。そのため、二次試験で選択の幅が大きい学類の入試ですと、社会などを選択した受験生より文系数学を選択した受験生のほうが合格する割合が高い傾向にあります。そのため、数学が苦手な文系受験生は、人文文化学群以外の受験では少々不利になるかもしれません。(とはいえ、数学が苦手だった筆者は人間学群に社会受験で合格できましたので、数学が苦手な分だけ社会を得意にしてしまえば大丈夫です!)

対して、社会学類、国際総合学類、人間学群は、科目数が少なく、選択科目の自由度も高め。その代わりに倍率が上がりやすい学類でもあります。マルチプレイヤーより、一極集中型の受験生に向いているかもしれません。筆者がこのタイプで、二次試験で3科目の受験が必要な総合選抜は早々に諦めました。

また、配点にも特徴があります。例えば、文理の垣根を越えた分野である国際総合学類や人間学群では、理科や数学の配点に文系科目と変わらない比重が当てられているようなこともあります。

要するに、

・入試に科目数が多く、選択の幅が小さい→得意な科目はないが、極端に苦手な科目もない、マルチプレイヤータイプ。
・入試に科目数が多く、二次試験でも3科目が求められる→複数科目の勉強の両立がそこまで苦ではない。
・二次試験で社会または数学から選択→数学はそこまで苦手ではなく、二次試験で文系数学受験も視野に入れている。または、数学は苦手でも社会がかなり得意。

という受験生は、総合選抜・文系で受験することが、専門学群・学類受験よりも向いているかもしれません。

3.総合学域群・文系ってどんなところ?「移行」は大変?

最後に、総合学域群のシステムについて解説していきます。

この記事を通して、もし総合学域群のシステムに魅力を感じたり、総合学域群のシステムとの相性がよさそうだと感じましたら、ぜひ総合選抜・文系を受験して総合学域群生を目指してくださいね!

総合学域群の1年生は、大学1年次の一年間、自分の興味に合わせてさまざまな学類で基盤となる科目(専門導入科目)を受講したのち、所属する学類・専門学群が決定されます。これが総合学域群生の「移行」です。体育専門学群へは移行できません。

各学類・専門学群には「2年次受入定員数」と「2年次優先受入人数」があり、すべての希望者を受け入れるわけではありません。総合学域群生の移行希望者がその学類の定員を超えた場合は、主に受講した科目の成績状況から算出される「成績点」を基準として受け入れる学生を選抜します。

また、学類によっては「重点科目」と呼ばれる、成績点を算出するうえで重視される科目もあるので、入学当初からある程度は移行先の学類に目星をつけ、計画的な履修を心がける必要があります。特に理系学類に多いようです。ですので、文系から理系学類を目指すことはできますが、その場合は1年生の春学期から理系学類の専門導入科目を受講し、よい成績をとる必要があります。

「2年次優先受入人数」とは、総合選抜の入試区分によって、その学類へ優先的に移行できる人数を表します。

総合選抜・文系 「2年次受入定員数」と「2年次優先受入人数」

学類

2年次受入定員数

文系・2年次優先受入人数

人文学類

30

25

比較文化学類

20

17

日本語・日本文化学類

20

18

社会学類

20

16

国際総合学類

20

心理学類

5

教育学類

3

障害科学類

3

生物学類

20

生物資源学類

20

地球学類

13

数学類

10

物理学類

15

化学類

13

応用理工学類

30

工学システム学類

33

社会工学類

30

情報科学類

20

情報メディア創成学類

15

知識情報・図書館学類

40

8

医学類

5

看護学類

5

2

医療科学類

10

芸術専門学群

5

この表のように、総合選抜・文系では、「人文学類」「比較文化学類」「日本語・日本文化学類」「社会学類」「知識情報・図書館学類」「看護学類」への優先受入人数が定められています。体育専門学群以外のどの学類にも移行できる可能性がありますが、上記6学類に関しては移行しやすいシステムとなっています。

また、理工学群や生命環境学群、情報学群などは総合選抜・理系Ⅰ~Ⅲにそれぞれ優先受入人数が定められていますが、人間学群(心理・教育・障害)と国際総合学類、医学類、芸術専門学群に関しては優先受入区分が設けられていません。こういった学類・専門学群はどの総合選抜の入試区分でも平等なチャンスを与えられていると言えるでしょう。

ここまでの内容から

・「人文学類」「比較文化学類」「日本語・日本文化学類」「社会学類」「知識情報・図書館学類」「看護学類」を目指している。(特に優先受入人数の多い「人文学類」「比較文化学類」「日本語・日本文化学類」「社会学類」は移行できる可能性が高い。)

・「歴史学を学びたいが、人文学類か比較文化学類かで迷っている」など、文系学類のなかで志望学類を決めかねている。

このような方には、特に総合選抜・文系で受験することをおすすめしたいです。

理系学類を目指すことも可能ですが、やはりかなりの努力を要するようです。(総合選抜・文系から物理学類を目指していた方の噂は聞いたことがあります。最終的にその方が本当に物理学類に移行できたのかはわかりません。)

優先受入人数の定めのない心理学類は、学類入試での難易度が高く、「総合選抜から移行したい」と思う受験生も多いかと思います。しかし、2年次受入定員数もかなり少ないため、学類入試でも総合選抜入試でも難関であることには変わりないでしょう。

ですが、倍率が高く入試難易度も高い社会学類を学類入試で受験するのでは合格が難しいかもしれないという方でも、総合選抜・文系から移行を目指すという方法で社会学類で学ぶチャンスを掴めるかもしれません。

また、上記の表をご覧になったとき、「人文学類と比較文化学類の違いって?」、「日本語・日本文化学類や知識情報・図書館学類って何を勉強しているの?」のような疑問がわきませんでしたか?筑波大の学類は個性的で、実際に授業を受けてみて初めてその学類のイメージがはっきりしたり魅力が伝わってきたりすることも。筆者自身、いまの学類に愛着はありますが、入学後に他学類の授業を受けてみて総合生だったら所属とは別の学類を選んでいたかもしれない、と感じた経験があります。

総合学域群では何も考えず履修計画を立てると移行の際に成績点などで困ることもあるようなので、いわゆる「モラトリアム期間」ではないと思っていただいたほうが良いです。むしろ、受験勉強から解放されて、今度は「自分は何を学びたいのか」「どの学類の学び方が自分にあっているのか」について考え、しっかり1年次から勉強を積み重ねる必要があるという点では、専門学群・学類入試より大変だともいえるかもしれません。

それでもさまざまな授業を履修し、所属学類を決定するため自分と向き合う1年間があることは、今後の人生によい影響を及ぼすのではないでしょうか。

ですが、「1年次にあまり頑張れなかった・・・」という総合学域群生でも、基本的には全員がどこかの学類へ移行できています。「総合学域群2年目」という方も少数いらっしゃいますが、総合学域群の先生方が手厚くサポートしてくださるので、移行できないことは基本的にないと思っていただいて構いません。

そして、総合学域群から専門学群・学類に移行したあとも、各学類・専門学群でオリエンテーションだったり、1年次からそこで学んでいる学生との交流会だったりが企画されているので、しっかりと友達を作ることができます。また、総合学域群生時代に同じクラスだった仲間が同じ学類へ移行することもあります。ですから、「総合学域群生だから友達を作りにくい」といった心配は不要でしょう。

先生方も個人面談の時間を設けてくださるなど、総合学域群から移行した学生をしっかりサポートしてくださるので、安心してくださいね。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、総合選抜・文系の入試や総合学域群の実態について解説していきました。総合選抜・文系を受験するか、専門学群・学類入試を受験するのか悩まれている方にとって、この記事が役立つものとなっていましたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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