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筑波大学は睡眠研究で有名!研究施設「IIIS」について調べてみた

つくいえ編集部

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  • つくいえ編集部

筑波大学って睡眠の研究が有名?

突然ですが、みなさんはふだんどれくらい寝ていますか?そして、人間はどれくらい寝るべきなのか知っていますか?結論からお伝えすると、成人のほとんどの人が約6時間 〜 8時間程度の睡眠が必要だそうです。しかし、個人差があるので、平日と休日で睡眠時間に2時間以上の差がある人は要注意!

このような、睡眠についての学問を睡眠学といいます。睡眠学は、学術的には「睡眠医学」「睡眠社会学」「睡眠科学」の3つの分野からのアプローチがある学問です。実は、筑波大学はこの睡眠学の研究が非常に有名なんです!どうして筑波大学が睡眠研究で有名なのか?今回はその秘密に迫ります!

筑波大学にある睡眠研究施設、IIISってどんなところ?

国際統合睡眠科学研究機構、通称IIISは、筑波大学にある睡眠学の研究施設です。
ここでは、神経科学、創薬科学、実験医学の三つの研究領域を融合した「睡眠医科学」に関する研究を行っています。2012年には、日本学術振興会によって世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)にも採択されています。IIISでは、米国式の「デパートメント(学部)」の長所を取り入れた運営がされています。これによって、年齢やキャリアによらず実力によって機会が与えられたり、ラボなどの垣根を超えてメンバー同士で交流できたりなど、自由な雰囲気が保たれています。このような環境で、世界トップレベルの研究者たちは研究に取り組んでいるのです。

なんのための施設?

なにを目的として睡眠学の研究を行っているのでしょうか?私たち人間は、人生の約3分の1を睡眠に費やしています。しかしながら、睡眠の本質的な意義や目的、眠気の正体については未だに解明されていません。そして現在、日本人の4~5人に1人は睡眠に関する悩みを抱えているとも言われています。
 睡眠障害や睡眠不足は、もはや日本の社会課題といっても過言ではありません。

 IIISでは、トップレベルの研究者と設備による睡眠研究によって、睡眠の謎を解き明かし睡眠障害の治療法を開発することで人類の健康増進に貢献していくことを目指しているのです。

これまでの研究実績

IIISは、次の3つのミッションを掲げて研究活動を行っています。
 1.睡眠の機能と睡眠覚醒制御メカニズムの解明
 2.睡眠障害と、それらに関連する病態の解明
 3.睡眠障害の予防法・診断法・治療法の開発

それでは、実際にIIISでは、これまでどのような研究が行われてきたのでしょうか?一部、その実績を紹介します!

レム睡眠とノンレム睡眠を制御する神経回路の同定

”マウスにおいて、ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスを司る脳幹の神経細胞を発見しました。” ”本研究は、睡眠中の脳内メカニズム理解の前進や、新規睡眠薬の開発、及び、睡眠異常を伴う疾患の新規治療法の確立に貢献することが期待されます。”

睡眠中のエネルギー代謝

”1日を通したエネルギー代謝を測定し、昼間のエネルギー代謝だけでは捉えることのできない個人差(代謝的な柔軟性の違い、加齢の影響や男女差)が、睡眠中に顕在化することを明らかにしました。” ”睡眠時に顕在化する代謝の柔軟性の低下が、肥満や糖尿病等のメタボリックシンドロームへ発症の予兆あるいは原因である可能性を示唆しています。”

ムーンショット型研究開発プロジェクト

IIISの機構長・柳沢正史先生がプロジェクトマネージャーを務めている研究プロジェクトが、2021年にムーンショット型研究開発事業に採択されています。ムーンショット型研究開発事業とは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による事業です。「2040 年までに、主要な疾患を予防・克服し 100 歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現すること」を目的としています。

採択されたプロジェクト、『睡眠と冬眠:2つの「眠り」の解明と操作が拓く新世代医療の展開』では、睡眠にまつわる社会的・経済的問題の解決を目指しています。サブ目標として、「日常生活の中で自然と予防ができる社会の実現」「世界中のどこにいても必要な医療にアクセスできるメディカルネットワークの実現」も掲げています。

ムーンショット型研究開発事業では、このほかにも「炎症誘発細胞除去による100歳を目指した健康寿命延伸医療の実現」や「病院を家庭に、家庭で炎症コントロール」などの事業が採択されています。

所属しているのはどんなひと?

世界トップレベルのIISにはどんな研究者が所属しているのでしょうか? 所属メンバーは主に、基礎生物学、創薬化学、実験医学、データサイエンスの4分野の研究者たちです。各個人が、その中のさらに細かい専門分野に精通しているプロフェッショナルといえます。世界の権威ある大学で学んだ経験のある研究者や、文部科学省や睡眠学会からの受賞経験がある研究者などがそろっており、レベルの高さが窺えます。

そんな優秀なメンバーたちの中でも、特に有名なのはIIIS機構長である柳沢正史先生です。睡眠学研究の第一線で活躍している研究者として、テレビにも登場することがあるので、もしかすると名前を聞いたことあるというひとも多いかもしれません。

実は、過去に筑波大学医学専門学群・大学院医学研究科博士課程で学んだ元筑波大生です。柳沢先生はその後、米国トップレベルの大学・テキサス大学サウスウェスタン医学センターとハワードヒューズ医学研究所に所属し、睡眠研究に取り組んできました。そんな柳沢先生は、睡眠を巡るミステリーの解明~健康睡眠を導く新たな介入法開発を目指して~を研究テーマに掲げて、現在も睡眠学の発展を目指しています。

それでは、柳沢先生はどうして有名なのでしょう?続いては柳沢先生がすごいと言われている理由についてご説明します!

筑波大学出身の柳沢正史先生は睡眠研究の第一人者!

ノーベル賞候補者の睡眠学者

実は、柳沢先生はノーベル賞候補者と呼ばれるほどすごい人なんです!2023年のノーベル賞の発表を前に、イギリスの学術情報サービス会社「クラリベイト(Clarivate)」が、受賞が有力視されている候補者23人(5か国)を発表しました。「クラリベイト(Clarivate)」は、世界中の研究論文を分析するツールです。特に科学、技術、医学、社会科学の分野で世界中の研究成果を評価・分析するために利用されています。柳沢先生はノーベル生理学・医学賞の候補者として、23人のうちの1人に選ばれました。日本人から選出されたのは、なんと柳沢先生を含めてたった2人!柳沢先生のレベルの高さがわかりますね。

どんな研究を行っているのか?

そんな柳沢先生は、どんな研究が評価されてノーベル賞候補者に選ばれたのでしょうか?柳沢先生の功績のひとつが、「オレキシン」の発見といわれています。オレキシンは、私たちが目を覚ましたり、起き続けたりするために必要な物質です。オレキシンが働くことで、私たちは起きている状態を維持できているのです。このオレキシンの発見によって、「なぜ人は眠ったり起きたりするのか?」という大きな謎の一つが解明されました。実は、それまで、睡眠がどうやってコントロールされているかよくわかっていなかったのです。そして、オレキシンが睡眠と覚醒(起きている状態)のスイッチのような役割をしていることがわかったことで、「ナルコレプシー」という病気の原因解明に大きく役立ちました。ナルコレプシーとは、急に強い眠気が襲ってきて、起きていられなくなる病気です。柳沢先生の研究により、この病気はオレキシンが不足していることが原因だとわかったのです。この発見をきっかけに、新しい治療方法の開発が進み、多くの人が助けられています。素晴らしい研究功績ですね!ノーベル賞の候補に選ばれているのも納得です。

筑波大学国際統合睡眠科学研究機構IIISに入るためには?

IIIS 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構

世界トップレベルの睡眠学研究機構であるIIISに興味を持ってもらえたでしょうか?
 それでは、IIISに入って研究活動に参加するには、どうしたらいいのでしょうか?研究員として働く方法と、学生として学ぶ方法の二種類をご紹介します!

研究員として働く

IIISのホームページで「採用情報」が公開されています。
応募資格が細かく決まっており、「博士」「○○学の博士学位取得者又は取得見込み」など、募集されている分野で高いレベルの知識と技術を持っている人が求められています。人気や募集人数、職務内容など、さらに細かい条件はぜひホームページ(https://wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/japanese/recruit/)をご確認ください!また、研究員以外に、非常勤職員(技術補佐員)や非常勤職員(事務補佐員)などの募集がされている場合もあります。「応募条件に必要な学歴や経験はないけどIIISで働いてみたい・・・」そんな方でもチャンスがあるようです。ぜひこちらについても採用情報をご確認ください!

学生として学ぶ

IIISでは、積極的に睡眠研究にチャレンジしたい学部生・大学院生を募集しています!筑波大学に所属している学生であれば、さまざまな学群や学類に所属しながらIIISで研究活動を行い、単位を取得することができるそうです。見学も可能とのことなので、ぜひ興味のある方は気になる研究室やIIIS広報に問い合わせてみましょう!IIISの研究室はホームページから確認可能です。自身の専門分野から睡眠学に対してどのようにアプローチできるか、ぜひ参考にしてみてください!

IIISで研究活動を行うためには、原則として筑波大学に所属している必要があるそうです。ただし、筑波大学に所属しなくても、さまざまな制度によって短期的に研究を行えるプロジェクトや特例もあるとのこと!興味があるけど筑波大学生ではないという点で悩んでいる方は、まずは気になる研究室に問い合わせてみてはいかがでしょうか?

最後に

みなさま、いかがでしたでしょうか。今後も筑波大学の生活、お部屋探し、受験情報を定期的に配信するため、ぜひつくいえ公式LINEを登録ください。

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