
こんにちは!筑波大学生専門アパート情報サイト「つくいえ」編集部の白井です。
この春筑波大学に入学される皆さまや、現在実家から筑波大学に通っている方は、筑波大学周辺で新生活を始めるべく住まい探しをされている最中かもしれません。そんな中で、まず最初に考えることはおそらく
宿舎にするか?アパートにするか……!?
ということだと思います。
筑波大学の宿舎は、
- 大学から近い
- 筑波大学の膨大な新入生を基本的に全員受け入れることができるようになっている
- 何より家賃が安い
という特徴があることから、新入生の住まいとしてまず候補に上がります。
しかし、近年では状況が変わってきています。それは「家賃改定」です。
既にニュースをご覧になっている方もいるかもしれませんが、筑波大学の学生宿舎の利用料は2026年4月より値上げされる予定です(筑波大学新聞)。
つまり、学生宿舎の大きなメリットであったコストパフォーマンスの面で、少し状況が変わる可能性が出てまいりました。
この記事では、学生宿舎の値上げという現状を念頭に置き、新入生を受け入れている学生宿舎の料金と周辺物件の家賃を比較します。
宿舎とアパートでの生活では、かかる費用にどの程度差があるのか?価格改定後でも、宿舎なら費用を抑えて一人暮らしがスタートできるといえるのか?を徹底検討します!ぜひ最後までお読みいただき、住まい探しに役立ててください。
筑波大学の寮の概要
筑波大学には、厳密には「寮」は存在しません。
筑波大学が用意している学生向けアパートは「宿舎」と呼ばれています。相部屋のない一人一部屋制であることや、食事は3食自分で用意する必要があるなど、いわゆる「寮」のイメージと筑波大学の「宿舎」には違いがたくさんあります。詳細は、こちらの記事も参考にしてください!
また、宿舎とアパートの大きな違いは以下の表のとおりです。
設備・特徴 | 学生宿舎 | アパート |
部屋の選択権 | ない。抽選で決まる。 基本的に、新入生は全員入居できる | すべて自分で決める。契約・交渉など、自分で管理者とやり取りをすることになる |
広さ | 場所によるが、大抵は6畳程度 | 物件による。家賃さえかければかなり広い部屋に住める |
収納 | ない | ある物件がほとんど |
共用部 | 洗濯、シャワー、炊事場、トイレが共用 洗濯とシャワーはコイン式 | 基本はない |
インターネット | 無料 | 無料の場合が多いが、一部の物件では別途契約が必要 |
水道光熱費 | 電気代のみ従量制、基本料金無料 | すべて自分で支払い。(一部例外) 水道・ガス・電気合計で基本料金は5,000円程度 |
ベッド・家具 | 机、椅子、ベッドは全室備え付け。シーツ交換サービス有り | 自分で購入 |
家電 | 共用部に洗濯機 | 基本的にすべて自分で購入する※1 |
エアコン | 一部未設置の部屋あり※2 パネルヒーター※3が全室設置 | 大抵の物件でついている |
初期費用 | 保証金30,000円のみ※4 | 物件によるが、敷金・礼金※5をはじめ、保険など、何かとお金がかかる |
※1物件によっては、前の居住者が置いていってくれたり、備え付けのものがあったりする場合があります。各物件の説明欄に記載している場合もありますが、ご自身で確認してください。
※2 エアコン未設置の部屋の場合、リース契約をすることが可能。
※3 パネルヒーターは中央管理されており、11月下旬から3月上旬までの朝6〜8時と夜17〜23時(管理事務室の休業日は6〜10時、15〜22時)に使用可能。
※4 保証金…家賃や電気代が滞納された場合に備えるためと、退去後の清掃に充てるために預けるお金。滞りなく諸々のお金を支払っていれば、清掃費の8,470円を引いた残額が返ってくる。仮に2年次以降に住むことになっても、1年毎に支払う。グローバルヴィレッジは例外で、2年契約なので1年経過のタイミングでの支払いはなし。
※5 敷金・礼金…部屋を出るときの清掃や、入居前の状態まで復帰させるために使われるお金が「敷金」で、貸してくれたお礼にアパートに納めるのが「礼金」。敷金は退去後のクリーニングなどの費用に充てられ、残額は返ってくる。礼金は返ってこない。
このような違いがあることを踏まえて、アパート・宿舎のどちらを選択するか考える必要があります。
筑波大学の寮のエリアごとの家賃の違い
筑波大学の学生宿舎は、以下の5エリアに分けることができます。
- 平砂学生宿舎
- 追越学生宿舎
- 一の矢学生宿舎
- 春日学生宿舎
- グローバルヴィレッジ
特筆すべきは「グローバルヴィレッジ」で、宿舎のなかで唯一のシェアハウスとなっています(寝室は個別です)。
平砂、追越、一の矢、グローバルヴィレッジはすべて「天久保2丁目」に位置しており、春日宿舎は「春日1丁目」に位置しています。
大学公式の宿舎紹介パンフレットに記載がある全タイプの居室のうち、主に新入生を受け入れるのは「一般単身(タイプA)」「一般単身(タイプA・春日)」「グローバルヴィレッジ」の3タイプです。
名前からも分かる通り、春日だけは立地・料金が違うことから別項目で分けられていますが、平砂、追越、一の矢宿舎の新入生向け居室はすべて一般「単身・タイプA」居室で、料金は共通となっています。
春日宿舎は主に情報学群の学生が入居する宿舎で、それ以外の大抵の学生はそれ以外の3つの宿舎に入居することになります。
ここからは、それぞれの宿舎について、料金を詳しくみていきたいと思います。
平砂・追越・一の矢・春日
平砂宿舎、追越宿舎、一の矢宿舎はすべて大規模な宿舎で、情報学群の学生は春日エリアに、それ以外の大半の学生はその他の宿舎に入居することになります。日本人新入生が入居することになる部屋は、基本的に10年ほど前に改修された部屋です。
とくに平砂宿舎の詳細については、こちらの記事も参考にしてください!平砂宿舎について基本的な情報や、どのような生活が待っているのか?を詳しく解説しています。基本的な部分についてはグローバルヴィレッジ以外のすべての宿舎で共通ですので、参考になるかと思います。
以下では、平砂・追越・一の矢・春日の宿舎の中で最も新入生が住む可能性が高い「一般単身用宿舎・改修棟」について解説していきます。
賃料
平砂・追越・一の矢宿舎費(宿舎では、家賃のことを「宿舎費」といいます)は28,040円、春日は29,920円となっています。
改定前の2026年3月現在の宿舎費はそれぞれ19,410円、19,615円ですので、およそ9,000円〜10,000円の値上げとなります。
エアコン無しの部屋については令和8年度以降順次設置される予定で、それまでは2,500円が宿舎費から引かれます。抽選で部屋の割り当てが決められるため、エアコンのない部屋に住むことになる可能性も当然あります。
また、光熱水量について、学生は電気代以外を負担することはありません。なぜなら、洗濯、水道、調理に使うガスコンロなどはほぼ全て共用であるためです(洗面器は各部屋にあります)。
さらに、電気代についても基本料金は大学が負担するため、学生は使った分だけ支払うことになります。インターネットも無料で使えるため、固定費が従量制の電気代のみで、非常に安価で済むという点はアパートに比べ、お得だと言えるでしょう。
広さ・間取り
公式に、10m2と記載があります。1畳をおおよそ1.6m2とすると、6畳程度ということになります。
周辺物件との比較
2026年3月6日の執筆日現在、「つくいえ」掲載物件のうち最も安い天久保2丁目の物件の家賃は2.8万円(共益費込※)でした。バス・トイレ別、6帖、クローゼット収納、エアコン付き……と、広くはないながらも基本的な機能は備えた物件でした。
一方、別の物件に眼を向けると、ワンルーム(キッチンが部屋とセットのタイプの部屋)でバス・トイレ別、小収納つき、5.5帖の部屋で家賃が3.3万円となっていました。こちらが前述のものの次に安い物件でした。
また春日1丁目では、つくいえ上には宿舎と比較できそうな物件がありませんでした。そこで他社サイトを参照すると、6帖1K、風呂トイレ別の物件が見つかりました。こちらの賃料は27,000円(共益費込)となっていました。宿舎と比較すると、4,000円の差があることになります。
これらの部分だけ見れば、「じゃあ宿舎のほうが割高なのでは?」と思われるかもしれませんが、一概に断ずることはできません。なぜなら、宿舎とアパートに住むためにかかる費用を比較すると、初期費用と固定費の面で大きな差があるからです。
アパートに住もうと思った場合、上の比較表にも示した通り初期費用がかかります。そして、その初期費用の他に、家具などを自分で揃える必要もあります。そのため、引っ越すためにはある程度まとまったお金を用意する必要があるので、一人暮らしを始めるためのハードルは宿舎に比べて高いと言えるでしょう。
参考までに、私が家賃3.5万円のアパートに引っ越したときには、家賃1ヶ月分、敷金、仲介手数料、保険料、保証料、鍵交換など、不動産会社に納めるお金が、引っ越しのタイミングで計15万円必要になりました。
これに加えて、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機、ベッドなど、一人暮らしをするときに新規で購入した家電・家具があることを考えると、生活をスタートするタイミングで必要になったお金は20万円以上でした。
学生の場合、独力でこのお金を用意することはかなり難しいと思われますので、保護者の方などとよく相談の上で決める必要があります。
一方宿舎の場合、生活を始めるための金銭的なハードルは比較的低いということができます。ベッドや机が備え付けられていること、共用部にガスコンロと洗濯機があることから、基本的な家具を揃える必要もほとんどありません。
ただし、宿舎は自分でアパートを選ぶ場合に比べて選択できる部分が少なく、収納がない、エアコンがない部屋に当たった場合自分でリース契約をする必要があるなどのデメリットもあります。
※共益費……家賃とは別に、アパートに毎月納めることになるお金のこと。一般に「家賃」というとき、この「共益費」も込みで考えると良い。インターネットの利用料金や、屋根や階段などと言った共同で使う設備の保全・補修に充てられる。
グローバルヴィレッジ
グローバルヴィレッジは、その名前からも分かる通り、国際的でコミュニティを意識した環境が特徴の、5人1ユニットのシェアハウス形式の宿舎になっています。また、唯一、一度契約すれば2年住むことができる宿舎です。
冷蔵庫や電子レンジが共用部にあるため、各個人で家電を購入する必要がないことは大きなメリットですが、シェアハウスという特性上、プライバシーの確保は一般の宿舎に比べると難しいでしょう。自分一人での自由な生活を求める方にとってはあまりいい選択肢とは言えないかもしれません。
間取り
個室は一般の宿舎と同じ10m2=6畳程度の広さで、基本的には一般の宿舎と同じですが、洗面台が備え付けられておらず、収納が用意されているということが大きな違いです。また、全個室にテラスがついています。
共用部にキッチンがあるほか、5人掛けのダイニングテーブルがあり、一般家庭の食卓のような雰囲気となっています。広さは18.45m2=10畳程度と、かなり広々とした間取りになっています。
賃料
一般の宿舎に比べると、かなり高額になっています。改定後の宿舎費は46,260円となっており、改定前は35800円であったことを考えると11,000円の値上がりとなりますので、値上げ幅もかなり大きいということができると思います。
ただ、アパートで一人暮らしを始めるより安価に済むという宿舎の利点のほか、冷蔵庫や電子レンジも備え付けのものがあるということを考えると、初期費用は一般の宿舎より安く済むかもしれません。
なお、固定費については、個室での電気料金に加えて、グローバルヴィレッジ全体の共用部で使われた光熱水費を入居者の人数で割った額が請求されます。ここは一般の宿舎とは異なる部分で、使いすぎると全体の額が少しずつ上がっていってしまうということで、注意が必要な点です。
そしてもうひとつ忘れてはならないのが、グローバルヴィレッジは築10年未満であるということです。2026年現在、グローバルヴィレッジは最も築年数が新しい物件であり、改修棟も改修されたのが10年ほど前であることを考えると、グローバルヴィレッジは筑波大学で最も綺麗な宿舎ということができるでしょう。共用部の家電等も綺麗なものが揃っています。
シェアハウスであるという点が苦にならない人にとっては、かなり魅力的な選択肢となるかもしれません。
周辺の物件との比較
つくいえにて天久保2丁目で、賃料4万円程度の物件を探しますと、収納がクローゼットで風呂トイレ別、8畳以上の1K物件が複数ヒットします。単純な家賃同士の比較であれば、同じ天久保2丁目の範囲内で、宿舎の入居費と同額程度を予算とした場合、一人暮らしには十分な広さの物件が確保できる、ということになります。
したがって、グローバルヴィレッジに特有の経験や自分の生活リズム、初期費用などを天秤にかけて判断する必要があります。
まとめ
今回は、天久保2丁目と春日1丁目にある計5つの宿舎を比較しました。
調査の結果、価格改定後でも、初期費用や固定費を考えると、宿舎は割高になったと一概には言えないということがわかりました。
また、家賃はエリアによって大きく変わるため、今回取り上げた宿舎付近の他のエリアのアパートとも比較し、ご自身やご家庭の予算をよく確認し、宿舎か、アパートかを選択していってくださいね。


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