筑波大学第一エリアの松美池に突如姿を現したアヒルボート「博士号」。
登場からすでに10日以上経過した現在も毅然とした態度で松美池の一角を陣取り、依然としてネット上で話題となっている。
撤収騒ぎや台風による転覆の可能性など、幾多の困難を乗り越えていまなお優雅にたたずむ彼(彼女?)であるが、その勇姿に惚れたつくいえ取材班(といっても筆者一人)が、この一連の騒動についてのレポートを試みた。
ネット社会と筑波大生の心を震撼させた彼(彼女?)の存在を、いま一度心に刻んで欲しい。
1.「博士号」事件一連の流れ
こちらのブログに詳しく書かれているが、2013年10月15日午前2時に松美池に搬入されたそうだ。大学への事前申請は無かったものの、当初学生生活課は学内の研究室の所有物ではないかと誤解。所有者不明のため大学職員はボートの監視を行い、台風のため全面休講となった16日にはボートに乗船しようとする多数の生徒へ注意喚起を行っている。乗船を試みる生徒と大学職員のやりとりはこちらのサイトに詳しくのっている。
16日夜には「博士号」を設置した生徒が学生課に「出頭」し、ことの経緯を明かした。曰く、ボートの設置によって松美池に注目を集め、松美池の環境向上を期待したいのだとか(ちなみに「博士号」に実際の水質浄化能力は無いらしい)。学生生活課からの通達により、設置者自らの手で16日夜に立ち入り禁止の張り紙やテープで乗船を控えさせるよう対策が講じられた。
(Twitpicより)
台風の猛威にも耐え切った「博士号」であったが、その後「博士号」撤去への道は濃厚になり、19日は以下のような撤去看板が確認されている。
松美池のアヒルボート博士号、撤去工事の看板。ポージングピクルスと記念写真を撮りました(^_^;) pic.twitter.com/NiQOEGKn6A
— 雨鳴きがえる (@amanaki_gaeru24) October 19, 2013
(Twitterより)
また22日には撤去看板前に謎のデスクが置かれ、撤去工事進捗に関する説明版も設置された。
デスクの上には、アヒルボートの撤去に関する諸々の詳細な記述がみられる。
(Twitpicより)
24日になると撤去作業のために試験的にバルーンがとりつけられる。
(Twitpicより)
しかし、この撤去作業は失敗に終わったのか、27日に筆者が見に行ったときにはバルーンはなくなり、それどころか撤去看板や立ち入り禁止テープなども片付けられ、登場時と同じ悠然とした態度で松美池上にたたずんでいた。
2.「博士号」の注意事項
見た目は白鳥に見えなくもない「博士号」だが、船内の注意書きにははっきり「アヒルボート」と書かれている。「博士号」の注意事項について列記しておこう。
・定員2名、合計140kgまで。できるだけ2名で利用し万一の事故の際に直ちに相手を救護できるようにすること。1名で利用する場合は陸上から別の者が注視すること。
・晩方以降は使用禁止。船内で睡臥しない。飲酒後や泥酔時には絶対に使用しない。
・船内での飲食禁止。特にプリンの持込は絶対に禁止させていただきます。
・船体と陸地や水中工作物との間に身体を挟まれないよう注意。
・船体によじ上ったり、不安定な状態で乗ったり、首の部分にしがみついたりしない。水面が浅い環境においては、転倒事故の危険性がある。
・船内で立ち上がらない。身体を乗り出さない。具備されたイス以外に座らない。
・自己または第三者に自己損害が生じないよう注意。出航時が安全確認。
・船体の下に人や動物が韜晦していないかどうか十分確認してから出航すること。
・いたずらにスピードを出さない。みだりに船体を岸壁等に衝突させない。
・池の場合は汚水が身体にかかったり眼や口腔に入ったりしないように注意し、万一の場合は直ちに水でよく洗ってから医師に相談する。
・ライフジャケットを着用すること。ライフジャケットが船内に見当たらない場合にあっては、自弁のものを使用すること。
・接岸後は直ちにロープで岸壁または係留用ポールに係留すること。
・公園等に備え付けられている遊具等とは異なり、このボートは民法に定める土地工作物ではない為、利用時の損害責任はすべて利用者に帰属することとなりますから十分に注意してください。
・専門業者以外の陸揚は禁止。適切な処置を執らずに行うと故障の恐れがあります。
・小さな子供やお年寄りは、保護者の監督下で使用すること。
・使用前に安全を自己確認し、使用中も安全に配慮すること。
乗船の際の安全についてかなり配慮された注意書きとなっている。
とくにプリンの持込は厳重に禁止されているので注意していただきたい。
3.「博士号」内の特徴
中心部には松美池に生息する虫と松美池のガイドマップが記されている。
台風の影響だろうか・・・船内には水が。
座席部分には筑波大学出身の3人のノーベル賞受賞者の写真が並べられ、操縦用のハンドルがついている。
後部には救命道具を完備。
後部やアヒルの頭頂部にはゴキブリが配されている。
制作者がゴキブリに愛着があるのだろうか・・・。
外部側面には諸所に注意書きが施されている。
船体上部後方には「太陽電池オルゴール装置」があり、晴天時には音楽がなるらしい。残念ながら筆者が見に行ったときには鳴っていなかった。
筑波大の博士号の背中にある謎の装置は、なんと電子オルゴールであり、晴天時に太陽電池で鳴るようになっていた。音楽の録音に成功した。 http://t.co/Ebgv8YVYt7
— Daiyuu Nobori (@dnobori) October 27, 2013
(Twitterより)
4.みんなの反応
ネット上ではたちまち「大学の池にアヒルボート出現で騒然(web R25)」や「筑波大学・松美池に謎のアヒルボート「博士号」が出現!台風に立ち向かう博士号の運命はいかに…!!(Togetter)」、「【悲報】筑波大に突如として現れたアヒルボート「博士号」に乗った人が学生課に怒られる 10月16日(NEVERまとめ)」など、まとめサイトで話題をよんだ。
また、ツイッターでは筑波大学関係者の投稿と思われるツイートが多数寄せられている。
アヒルボート「博士号」が登場した10月15日から10月27日まで、「筑波 アヒルボート」が含まれるツイート数は659件にのぼる。
いくつかの反応をみてみると、
筑波大アヒルボート事案は、池がある全ての大学に波及すべき
— せいべえ (@seibe19) October 23, 2013
今週末は筑波大の学園祭か。松美池の博士号はいよいよ撤去されるのかな。可愛さと同時に知性と哀愁が感じられるアヒルボート、すっかりファンになってしまった。このまま置いてくれないかな…(´・_・`)(/ _ ; )
— 雨鳴きがえる (@amanaki_gaeru24) October 27, 2013
ネットで眺めてるだけだが、筑波大学のアヒルボートの件、面白いな。
— yuu (@yuu_sss) October 19, 2013
(Twitterより)
他にも「面白すぎw」「さすが筑波!」など、概ね好評である。
5.「博士号」の今後は?
筑波大学出身の筆者としては「筑波大なんだからアヒルボートぐらいそんなに騒ぐほどのものじゃないだろう」と思ってしまうわけだが、大学側からしてみれば、やはり所有者や具体的な設置理由を明かさずに、あたかも大学公式のモノとして大学構内に放置しておくことは常識的な配慮に欠けるように思われるだろう。
計画立案力や費用の捻出、ボートのクオリティ、大学の公式ロゴの発注など、制作者の熱意は大いに賞賛するが、「放置」というのはよろしくない。
筑波大学の新しい名物となる可能性を秘めた産物であるだけに、今後の有効利用に期待したい。
以上、つくいえ「博士号」取材班がお送りしました!
※参考サイト
・筑波大学松美池に現れたスワンボート「博士号」の真相 あしやまひろのブログ/http://www.hirokotb.com/?p=1050
・【悲報】筑波大に突如として現れたアヒルボート「博士号」に乗った人が学生課に怒られる 10月16日 NEVERまとめ/http://matome.naver.jp/odai/2138191332804308201
・筑波大学・松美池に謎のアヒルボート「博士号」が出現!台風に立ち向かう博士号の運命はいかに…!! Togetter/http://togetter.com/li/577553
なお、使用した写真(Ttitter、Twitpicからの引用を除く)は筆者が撮影したものである。
コメント
コメントは受け付けていません。