目次
1.工学システム学類の基本情報
工学システム学類は、筑波大学の理工学群にある学科のことを指します。
理工学群は、数学類、物理学類、化学類、工学システム学類、工学システム学類及び社会工学類の6学類から構成されます。
ここで、大学HPにある工学システム学類の説明を抜粋します。
- 工学システム学類
急速に細分化が進み専門化され過ぎた工学を,新しい観点から整理し,系統だてて教育することにより,様々な問題を解決できる独創的な人材を育成します.工学システム学類はJABEE(日本技術者教育認定機構)から「工学(融合複合・新領域)及び関連のエンジニアリング分野」での認定を受けており、本学類の入学者は,全員JABEE認定プログラムの履修生となります.
筑波大学理工学群工学システム学類は、人々の生活に役立つ「システム」を作り運用していくための「工学」を学ぶことを目的としています.そのため,これまでの枠にとらわれない学際的・横断的なカリキュラムを特徴としています.教員の熱意は他のどの大学にも負けません.また,学生と教員の密接なつながりは伝統として受け継がれています.
つまり、工学システム学類は様々な工学分野の壁を超えた広い知識を習得できる学類です。
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2.工学システム学類には何人が入学できるの?
実際に、毎年「工学システム学類」には約50名の受験生が入学します。入試形態ごとの募集人数を以下に記載します。
【2021年募集人数内訳】
入試形態 | 人数 |
推薦入試 | 20 |
前期入試 | 55 |
後期入試 | 20 |
総合選抜 (入学者の2年次受入人数) | 33 |
その他、国際バカロレア入試という入試形態もあります。こちらは、年によって0~2名の入学者です。入学する学生がいない年もあります。
3.工学システム学類に入ると取得できる資格や就職先は?
工学システム学類に入学すると、どんなメリットがあるのでしょうか。
取得できる資格は?
取得できる資格は、以下の通りです。
■ 建築士受験資格:指定された講義の単位を取得することで受験資格を得ることができます。なお、一級建築士受験資格獲得のためには、学類卒業後、二年間の実務経験が必要です。
■ JABEE認定:工学システム学類はJABEE(日本技術者教育認定機構)から「工学(融合複合・新領域)関連分野」での認定を受けており、すでに1700名余(2016年4月現在)の修了生を輩出しています。
もちろん、上記の資格取得には、工学システム学類で行われている”特定の授業”を履修し、単位を取得する必要があります。「どの授業を取るべきか」については、入学後に工学システム学類の学生支援室に相談してみるとよいでしょう。
(参考URL) 工学システム学類 ホームページ
http://www.esys.tsukuba.ac.jp/
工学システム学類では、中学・高校教諭の資格を取得することも出来ます。
毎年、学校の先生として就職する卒業生もいます。
しかし、学校の先生になるのは、1学年で1~2名程度です。普段の授業をこなしながら、学校の先生になるための教育実習をこなすのは、非常に大変です。教員資格を取得しない同級生に比べると、50単位以上多く、授業を履修しなければいけません。
(概算では、1単位は10回の授業、1回90分の授業だと仮定すると、10回/単位×90分×50単位= 750時間程度の時間が必要です。途方もない時間ですね。。)
4.工学システム学類の入試対策編:入試科目と配点を知ろう!
先の章で、工学システム学類の主な入試形態を記載しました。本章では、入試形態ごとの入試科目と配点について記載致します。
推薦入試
➀ 小論文:工学への関心度、論述における論旨の明確性、論理性および英語力を評価。
② 面接:個別面接です。
一般前期入試
一般前期入試の入試科目・配点は以下の通りです。
➀ 大学入学共通テスト
5教科7科目
【国語】国語(200)
【数学】数I・数IA・数II・数IIB・簿記*・情報*から1(200)
【理科】物・化・生・地学から2(200)
【外国語】英[リスニングを課す]・独・仏・中・韓から1(200)
【地歴・公民】世A・日A・地理A・世B・日B・地理B・現社・倫理・政経・「倫理・政経」から選択(100)
選択→地歴・公民から1
合計900点満点で、算出。
※配点の比率は20年度までと同様です。
② 個別試験(二次試験)
外国語+数学+理科(1500点満点)
《外国語》英、独、仏から1(500)
《理科》「物基・物」+
「化基・化」・「生基・生」・「地学基・地学」から1
(250+250の計500)
《数学》数I&数A&数II&数B(数列・ベクトル)&数III (500)
計2400点。
一般後期入試
①個別面接 (300点)
②大学入学共通テストの成績 (計500点)
【国語】国語(100)
【数学】数I・数IA・数II・数IIB・簿記*・情報*から1(150)
【理科】物・化・生・地学から2(100)
【外国語】英[リスニングを課す]・独・仏・中・韓から1(100)
【地歴・公民】世A・日A・地理A・世B・日B・地理B・現社・倫理・政経・「倫理・政経」から選択(50)
選択→地歴・公民から1
計800点
こちらは予想倍率10倍になります。ほとんど大学入学共通テストの成績によって決まりますが、面接の配点も低くはないので面接対策も必要です。
1次試験、2次試験どちらも自分の得意な科目・種目を選択することが重要です。
【一般入試_配点まとめ】
試験の区分 | 国語 | 地歴 | 公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 配点合計 | |
センター試験 | 200 | 100 | 200 | 200 | 200 | 900 | ||
個別学力検査 | ① |
| 500 | 500 | 500 | 1500 | ||
合計 | 200 | 100 | 700 | 700 | 700 | 2400 |
【後期】
試験の区分 | 国語 | 地歴 | 公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 論述 | 配点合計 | |
センター試験 | 100 | 50 | 150 | 100 | 100 | × | 500 | ||
個別学力検査 | × | × | × | × | × | 300 | 300 | ||
計 | 800 |
5.工学システム学類の一般入試(前期・後期)合格ライン
~最高点・最低点・平均点はどれくらい?~
2018年-2020年の過去3年間の合格者の最高点・平均点・最低点を記載します。
【前期】※800点満点
年度 | 最高点 | 平均点 | 最低点 |
2018 | 801 | 706.8 | 655 |
2019 | 828 | 754.5 | 719 |
2020 | 837 | 754.3 | 710 |
2020年までは400:600の合計1000点満点でした。
2020年度において、センター試験で8割の点数をとったと仮定すると320点。
その場合二次試験では390点、つまり65%以上の点数をとると合格できる計算になります。
筑波大学の後期試験を受ける学生は、東京大学・東京工業大学・京都大学・大阪大学など旧帝大の前期試験を受けている可能性が大きいです。
そのため、センター試験の対策を徹底し、高得点を出すことが一番の対策になります。
6.工学システム学類の入試対策編:センター試験のオススメ勉強法は?
今回は、筑波大工学システム学類の先輩方が書いてくれた「合格体験記」を参考に、オススメの勉強方法を抜粋します。
二次試験とセンターのバランスを取ろう
工学システム学類の先輩は配点の高い二次試験の勉強に注力しながらセンター対策をしていました。
以下は先輩からのアドバイスです。
「センター対策として意識して取り組んだのは、過去問、各出版社から出ているセンター形式の問題集、そして模試を解くのみです。特に問題集は誤答がなくなるまで何周も解き直しました。
ただ、こうした具体的な対策をし始めたのはセンターの数ヶ月前くらいで、それまではひたすら二次試験の勉強をしていました。当時センターで問われる内容は基礎の基礎だったので、普通に二次試験の勉強をしていれば自然とセンターの勉強になっていました
。」
センターはもちろん大事ですが、受験の全体像を常に把握して勉強することが重要です。
以下、先輩方のオススメ勉強方法を抜粋します。
工学システム学類2017年入学_Aさん
高校でも塾でも模試も過去問もたくさんやったので自分では苦手な英語と化学だけやりました。地理と国語は得意とは言えませんでしたが、二次試験のことを考えると勉強に時間をさきたくないのと、勉強しても無理な時は無理だと思ったのであまり勉強しませんでした。
工学システム学類2019年入学_T.Sさん
第一志望の大学(東京工業大学第4類)ではセンターの得点がほとんど関係なかったため、特にセンターに注力した対策はしていません。文系科目は授業課題のみ、理系科目は二次試験の対策をメインに、あとは定期的なセンター模試を通して勉強していました。センター試験の直前一週間前からマーク式に慣れるために、過去問を数年分一気に解きました。
7.工学システム学類の入試対策編:一般前期入試のオススメ勉強法は?
工学システム学類の先輩たちが大事にしていたのは、「やることとやらないことをはっきりさせること」。
この科目は苦手だから無理に高得点は狙わず、このくらいの点数が取れるようにしよう
この参考書だけを徹底的にやりこもう
このように自分にあったやり方で対策するのが重要です。
工学システム学類2019年入学_Aさん
初めに、1度過去問を時間を測らずに解いてみました。その点数とかかった時間から、教科ごとの対策を考えました。僕が受けたのは英数理の3科目でした。
英語は、過去問を初めて解いた段階(3年10月頃)で点数、時間ともに問題なかったので、特別な対策はしませんでした。
数学は、積分関連の問題が解けてなかったので、積分を重点的に対策することにしました。
理科は、解けないというよりは時間が圧倒的に足りなかったので、100点をとることを諦め、自分が得意な分野を理解することにしました。
工学システム学類2017年入学_Aさん
物理は塾の教科書に不満があったので教科書はやまぐちけんいち先生のものを問題集は名問の森を利用したが他は塾の教科書をやり込んだ。英語と数学の記述練習は塾の授業で添削してもらえたのでそれで十分だった。大学対策はセンター後に赤本を買って一冊やり切った。
工学システム学類2017年入学_Aさん
英語が苦手でしたが英作文は最低限の知識でも慣れればできると思ったので高校の先生に個人的に添削をしてもらっていました。数学や物理は得意だったのに加え、授業で扱う色々な大学の過去問と比べてそれほど難しくなかったので自分では最低限しかやりませんでした。センターがある程度取れていたので直前は正直適当になってました。
8.工学システム学類の入試対策編:推薦入試の面接対策方法
推薦・AC・後期二次試験の面接は具体的な出題傾向は、非公表となっています。
しかしながら、専門的な知識を聞かれる事は少ないです。
・高校生時代に頑張ったこと
・工学システム学類でやりたいこと
・入学後の学習計画
などを中心に深く掘り下げられる傾向があります。
具体的な対策方法は
・工学システム学類のパンフレットを熟読する
・オープンキャンパスで先輩の話を聞く
・学生時代に頑張ったことを、スラスラ言えるように先生と練習する
といったものが効率的です。
9.工学システムの在校生に聞いた!入学後の良かった事やGAPは?
本章では、工学システム学類の先輩方が書いてくれた「合格体験記」を参考に、「入って良かったな」「GAPに感じた」こと抜粋しました。
良かった事
Aさん
レベルの高い授業を、レベルの高い人々と一緒に受けることが出来ることです。また、趣味や性格が近い人が多く、とても居心地が良いです。試験期間は辛い時もありますが、友人と協力して勉強し、単位を取得できた時の達成感はひとしおです。
Y.Kさん
工学というと狭いジャンルのようにも感じますが、実は様々な道が用意されていて入学後に自分のやりたいことを見つけることが可能です。とりあえずで工学システム学類を選んだ人も入学してから様々な学問を学べるので心配しなくて大丈夫です。
GAPについて
Kさん
想像していたより勉強させられるな、という感じでした。受験勉強から解放されることをモチベーションに浪人時代を乗りきっていたので、結構しんどいものがありました。座学中心なので、そういったペンを動かすタイプの勉強が嫌いな方に、工学システム学類はあまりおすすめできません…
K.Aさん
なんか知らんが基礎の数学がめちゃくちゃ授業きついし単位が全然取れないので応理とか社工行きてえって毎秒思う時期があった。工シスなので専門を決めるのが遅い分逆に浅く広く勉強していく部分があってやる気が出ない科目も結構あった。
10.最後に
みなさん、いかがでしたでしょうか。
アパート専門情報サイト「つくいえ」では、全25学類161人の筑波大学の先輩に「合格体験記」を書いてもらっています。今回は、”工学システム学類”の入試情報・合格体験記をまとめました。先輩方、1人1人の合格体験記も是非ご覧下さい。
今回の記事では紹介していないような、
・苦手科目の克服方法/得意科目の伸ばし方
・受験期のモチベーションの上げ方
・受験日当日の過ごし方
・筑波大学の受験会場までのアクセス
など細かく記載しています。定期的に、こういった「合格体験記」の購読したい方は、
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