大学生にとって、最も大きなイベントの一つに就職活動があります。その就職活動で見事に内定をもぎ取っている人たちに大体共通していることがあります。彼らは別にバイト先でトップクラスの成績を上げたという逸話を語るわけでも、家庭教師をしていて手作り問題集を作ってあげたという逸話を語るわけでもありません。
一言で言えば、彼らは、大人ときっちり話すことができ、わざわざエピソードを捏造しなくても様々なことに特別ではなく普通に一所懸命に取り組んでおり、中学入試くらいの算数、国語がちゃんとできます。
前半は若干高度ですが、後半の中学入試くらいの算数、国語がしっかりできるという点は高度ではない割にはちゃんとできる人が少ない領域です。
SPIという標準的な入社試験がありますが、この難易度は実は中学入試レベルです。別に私としては、特定の参考書を売り込みたいわけではないですが、SPIの数字関係の問題は『でる順算数』シリーズがちゃんとできる学力なら十分な結果を出すことができます。大学四年間の前半の二年間でこのシリーズが解けるくらいの学力をつけておけば(元から出来る人はわざわざする必要がありませんが)、就職活動について少なくとも基礎学力面で心配することはありません。就職活動前に、急に日経新聞を読み出すくらいなら、これをやっておきましょう。ある意味、中学受験に挑む小学生が軽くできるくらいのことができないで、大学レベルの研究をしています―――というのは変な話なので、尚更です。
実は算数、国語がある程度できるレベルというのは一生役に立ちます。失業してしまったときに、失業給付を受けながら訓練を受けようと思ったときに、クリアしなければならない試験のレベルも同じようなものです。このレベルの基礎知識、基礎学力は、一生ものです。ちゃんとできるようにしておきましょう。