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筑波大学社会学類を完全解説~入試形態・科目・配点・勉強法を網羅~

つくいえ編集部

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1.社会学類の基本情報

社会学類は、筑波大学の社会・国際学群にある1つの学科のことを指します。社会・国際学群は、社会学類と国際総合学類の2つで構成されている学部のようなものです。国際総合学類の日本バージョンです。

 

社会学類は、他大学では独立している社会学・法学・政治学・経済学を1つの学類で学べるようにした学部です。

ここで、大学HPにある社会学類の説明を抜粋します。

社会学類

複雑化する社会においては,広い視野と総合性を持つスペシャリストが求められている。 そのために,社会科学を総合的に教育し,同時に高い専門性を持つ人材の育成を目指す。

本学類は,他大学では通常,独立の学部ないし学科として立てられている社会学・法学・政治学・経済学を,社会学類という一つの組織のなかに組み込み,関連領域を学習しやすい仕組みにしているところに特徴があります。学生は,社会学,法学,政治学,経済学の4分野から自分の主専攻を決定し,それを重点学習することによってその分野のプロとしての実力を涵養すると同時に,他の主専攻分野を並行して学ぶことができます。その結果広い視野と総合性をもつスペシャリストが育つことが期待されています。

社会学類には、大学3年次より以下のコースに分かれます。

社会学主専攻

社会学は、社会の各領域の成り立ちやそこに発生する問題を、特に私たちの日常生活のレベルから解明すると共に、さらに異なる領域の間に広がる見えない関係の連鎖を、人間や組織・集団の観点から自由に明らかにすることを、課題としています。

社会学主専攻では、主として社会問題論 (国際移動・犯罪・逸脱行動)、文化論(スポーツ・都市・メディア・知識・歴史)、医療・福祉論(老いと病い・社会保障・介護)を専門とするスタッフが様々な学生の関心に 対応した社会学の「フィールド」を整備しています。

法学主専攻

法律とい うと、一見、日進月歩の科学技術とは異なり、固い、旧態依然というイメージがあるかも知れませんが、決してそのようなことはなく、証券取引の規制、 ソフトウェアやバイオテクノロジーの保護や規制、ネット社会特有の諸問題への対応等、新たな法現象が生じてきたこともあって、情報化・国際化の今日、法 学には、時代の変化に柔軟に対応することが求められています。

法学主専攻のカリキュラムは、さまざまな実定法から、政治学・経済学・社会学・人文関係系統にいたるまで、幅広いものを含んでいます が、そうした科目の学習を通じて得られる、社会生活全体を広い視野で考察する適切妥当な観点と判断力が、まさに法的なものの見方、考え方の現れなのです。 さまざまな法分野の講義から、少人数形式のゼミナールにいたるまで、法的議論の「場」は多々用意されています。

政治学主専攻

政治学は政治の世界を理論的、科学的、歴史的に分析し、理解し、同時に政治のあるべき姿を科学的、思想的に考察しようとする学問です。人間・集団・社会・国家に発生するさまざまな利害の対立と解決の様相を研究するこの学問にとって、「人間」に関する多様な認識と深い洞察力は不可欠であり、そのためには、幅広い教養と専門的な知識を吸収しようとする旺盛な知的好奇心が求められます。

政治学主専攻では、政治に関する基本的な概念、理論、歴史などを学ぶ基礎的な講義、入門演習を通して、政治学的なものの見方を身につけます。そして、専門科目、専門演習に入って政治理論、政治思想、政治外交史、国際政治等、それぞれ自分の関心領域を決め、研究を深めます。

経済学主専攻

経済学は、社会科学で唯一ノーベル賞の対象となっている学問分野です。経済学の方法は、狭い意味の経済現象の分析用具として大きな成果をあげてきただけではなく、政治、法律、労使関係、家族、環境問題、都市、教育、国際関係といった他の分野にも幅広く適応されてきました。

経済学主専攻では、経済学の基礎的な分析手法を段階的に学ぶことができるカリキュラムを設定しています。これに加え、理論や政策から歴史および現状分析に至る教育内容を設定することで、広い社会的関心をもちながら、現代の問題を体系的にとらえる能力の養成を目的としています。

 

他の大学に当てはめてみると、社会学部(ないしは文学部社会学科)、法律学部(法学科・政治学科)、経済学部にそれぞれ所属しながら、 他学部(他主専攻)の勉強をすることができる学部です。広くかつ興味のある分野を深く学べる環境が整っています。

 

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2.社会学類には何人が入学できるの?

実際に、毎年「社会学類」には何人の受験生が入学するのか。それは80名程度となります。入試形態ごとの募集人数を以下に記載します。

 

【2021年度募集人数】

入試形態

人数

推薦入試

16

前期入試

40

後期入試

総合選抜

(入学者の2年次受入人数)

20

 

その他、「国際バカロレア特別入試」が若干名、「私費外国人留学生特別コース入試」が4名募集しています。

 

3.社会学類に入ると取得できる資格や就職先は?

社会学類に入学すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

 

取得できる資格は?

取得できる資格は、以下の通りです。

 

■ 高等学校一種免許状(公民)

 

もちろん、上記の資格取得には、社会学類で行われている”特定の授業”と教職科目を履修し、単位を取得する必要があります。「どの授業を取るべきか」については、入学後に社会学類の学生支援室に相談してみるとよいでしょう。

社会学類は7∼8割が就職をし、その中の1,2割が公務員になります。業種は様々で幅広いです。進学する人も1割程度いて、内部進学のみならず外部の大学に進学する人もいます。

 

4.社会学類の入試対策編:入試科目と配点を知ろう!

先の章で、社会学類の主な入試形態を記載しました。本章では、入試形態ごとの入試科目と配点について記載致します。

 

推薦入試

全体の80名のうち16名が推薦入試で、約4分の1が推薦入試での入学となります。

 

➀ 小論文

② 面接

 

配点の表記はありません。「小論文」「面接」の結果を受けて、総合的に合格者を判断することとなります。

 

一般前期入試

一般前期入試の入試科目・配点は以下の通りです。

 

➀ センター試験

国語、地歴公民、数学、理科、外国語の5教科7科目の受験が必要。

 

・国語:100点

 

・地歴公民:100点

 ※世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫理、政経、倫理・政経から1つ選択。

 

・数学:100点

 ※数Ⅰ、数Ⅰ・A、数Ⅱ、数Ⅱ・B、簿、情報から1つ選択。

 

・理科:50点

 ※物基、化基、生基、地基から2つ、もしくは、物理、化学、生物、地学から1つ選択。

 

・外国語:100点

 ※英語(リスニング含む)、独、仏、中、韓から1つ選択。

 

合計で450点満点で、算出。

 

② 個別試験(二次試験)

外国語(英語)と国語、数学、地歴から2教科2科目の受験が必要。

 

・外国語(英語):400点

 

国語、数学、地歴のうち、1科目を選択。

 

・国語:400点

 ※現代文B・古典Bから出題。

 

・数学:400点

 ※数Ⅰ・数Ⅱ・数A・数Bから出題。

 

・地歴:400点

 ※地B、日B、世Bから1つの出題分野を選択。

 

合計で800点満点で、算出。

 

【一般(前期)入試_配点まとめ】

試験の区分

国語

地歴

公民

数学

理科

外国語

配点合計

センター試験

100

100

100

50

100

450

個別学力検査

400

×

×

×

400

800

×

400

×

×

400

800

×

×

400

×

400

800

計 

500

100

100

50

500

1250

100

500

100

50

500

1250

100

100

500

50

500

1250

 

5.社会学類の一般入試(前期)合格ライン

 ~最高点・最低点・平均点はどれくらい?~

2018年-2020年の過去3年間の合格者の最高点・平均点・最低点を記載します。

下記の表を確認ください。

 

【前期】※1250点満点

年度

最高点

平均点

最低点

2018

1078

945.3

903

2019

1079

995.2

950

2020

1096

974.4

924

 

点数の差はあんまり大きくないので、950∼1000点を目標に過去問に取り組むといいです。全体として、英語の配点が高いので英語に力を入れて取り組む必要があります。

 

6.社会学類の入試対策編:センター試験のオススメ勉強法は?

センター試験科目は前期試験で5∼6科目です。理科を除いてどの科目も同じ配点なので、全科目を確実にとれるようにする必要があります。1科目でも全く点数をとれない科目があると厳しいので、苦手科目の克服に時間を割くのは1つの手です。

 

今回は、筑波大生物資源学類の先輩方が書いてくれた「合格体験記」を参考に、オススメの勉強方法を抜粋します。

 

以下、先輩方のオススメ勉強方法の抜粋を紹介します。

社会学類2015年入学_Aさん

センター試験は基礎。受験勉強を始めてから夏まではひたすら基礎の復習を繰り返し、繰り返し行うこと。9月、10月ごろまで基礎の復習に費やすとセンター試験は非常に簡単に感じる。しかし高得点を狙うレベルには到達していないだろう。だからこそ、夏が終わってからは過去問や模試などを利用してセンター演習をひたすらに繰り返す。センターの必勝法は反復練習であると断言できるだろう。センター試験は単純作業の繰り返しだ。ある問題を見たら一瞬でんその答えが出てくるようになる、というレベルを目指すべき。そのためには過去問、模試などのセンター演習を繰り返し解くこと。そうすれば脳もだんだん慣れてくる。本番にも動じなくなる。注意すべきは、解きっぱなしにしないことだ。必ず解いた問題は復習し、身につける。高い目標を持って貪欲に問題に取り組んでいくことだと思う。

 

社会学類2017年入学_A.Dさん

高校で配られた過去問を何度も何度も解き直して、全問答えられるようにした。英単語のアクセントと発音を毎日五個ずつぐらい暗記した。センター試験でも長文読解はあるので、東大の英語の過去問もやり込んだ。

世界史の教科書を読み込んだ。世界史の人物のリストや王朝のリストを片っ端から暗記した。出来事をひたすら何世紀かに当てはめた。

生物基礎は趣味として大好きだったので、高校一年生の段階から教科書や図説を楽しく読んでほとんど覚えていた。

化学基礎は先生が熱血で、授業で毎回難しい問題を解かされているので、特に自分で対策しなくても大丈夫だった。

 

暗記科目は自分が覚えやすい方法を見つけられると楽しく勉強することができます。配点もほぼ同じなので、全科目広く勉強するためにも問題をたくさん解いて復習することも1つの手です。早めの対策を心がけましょう。

 

7.社会学類の入試対策編:一般前期入試のオススメ勉強法は?

社会学類の2次試験は2科目のみで、1科目は国語、数学、地歴から選ぶことができ、もう1科目は英語です。配点は400点ずつと大きいので、十分な対策が必要です。

 

以下、先輩方のオススメ勉強方法の抜粋を紹介します。

社会学類2017年入学_A.Dさん

社会学類の二次試験は二科目のみで、英語は必須で、もう片方は国語、数学、世界史、日本史から選択する。私の場合は、文系のなかでは数学が得意な方だったので、数学を選択した。途中までは世界史の先生にもお世話になっていて、論述の添削をしてもらっていたが、センター試験が終わってからは数学に絞って、世界史の対策はやめた。数学は理系数学のプラチカをひたすら解き、わからないところをとにかく先生に質問した。

英語は、東大英語25カ年を解いていった。記述問題は、英語の先生に添削してもらった。筑波大学の過去問で定期的に自分の到達度を確認した。二次試験はセンター試験と比べて一人での戦いになるので、気楽に考えるようにして、精神を休めた。後から考えると、筑波大学の英語も数学もそこまで難易度が高いわけではないので、東大や名大向けの対策をしていれば余裕だった。

社会学類2015年入学_Aさん

筑波大学の2次試験は高校生に優しい問題になっている。授業で学んできたことや教科書の内容を中心に出題されるからだ。つまり筑波大の入試も基礎をどれだけおさえられているかが重要になってくる。では基礎の勉強はどうすればよいか、というとセンター試験を上手く利用することだ。先ほども述べたように、センター試験は基礎であるから、センター試験を突破した受験生であれば筑波大学の二次試験は難しくない。勝敗を分けるのは、どれだけ筑波大学の入試を知っているかどうか、という点だろう。入試には必ず傾向がある。それを掴むために、受験生は赤本を使って過去問を繰り返し解くべきだと思う。私は筑波大学の過去問を少なくとも10年分は解いた。過去問を解き、それを復習し身につけるという単純な勉強が最も効果的だろう。

 

英語はセンター対策も兼ねて基礎と暗記を固めつつ、深く学習する必要があります。もう1科目の選択は点数を確実をとるには重要になってくるので、科目名だけでなく問題の出題傾向や過去問などもしっかり見て決めることをおすすめします。

 

8.社会学類の入試対策編:推薦入試対策方法

推薦は具体的な出題傾向は、非公表となっています。

社会学類の先輩方の生の声から自分なりの対策方法を見つけてみましょう。

 

以下、先輩方のオススメ勉強方法の抜粋を紹介します。

社会学類2017年入学_K.Sさん

私は推薦入試での受験だったので小論文と面接の練習に取り組みました。小論文は社会学類の過去問を中心にその他の似た傾向の大学の過去問にも取り組みました。解いた過去問は公民科の先生に添削してもらって関連する知識やニュースなどについても調べるようにしました。面接の練習については入試の1ヵ月ほど前から始めました。厳しめの雰囲気でしたが、次第に慣れていきスムーズに話すことができるようになりました。小論文においても面接においても近年の時事問題やニュースについての知識は必要となってくるので他の人に解説できるくらい理解しておくと良いと思います。

社会学類2014年入学_N.Nさん

面接対策としては、自分が試験監督だったらどんなことを聞きたいか質問を考えて、

その質問に対する自分の答えを一度文章にしてみるのが良いと思います。私は頭の中でなんとなくイメージはあっても、実際に言葉にしようとすると上手に伝えられなかったので、この方法は効果的でした。

小論文対策としては、何かテーマを決めて書いてみて、それを学校の先生などに添削してもらっていました。あとは日頃の高校の授業の日本史や現代文で学んだことから、自分なりに考えをまとめてみるのも役立つと思います。

また、試験の1か月前ほどから一般試験対策との両立が辛くなってくるとおもいますが、一般試験の勉強が小論文を書く際の知識に役立ち、小論文対策で得られる記述力も一般試験の論述問題に役立つはずです。なので、どちらも捨てずに粘り強く学ぶと良いのではないでしょうか。

 

一般的な面接と小論文の形式なので、誰かに面接の相手をしてもらったり小論文を添削してもらえる環境を整えましょう。また、時事問題には日々意識を向けておいて、情報収集しておきましょう。

 

9.社会学類の在校生に聞いた!入学後の良かった事やGAPは?

本章では、社会学類の先輩方が書いてくれた「合格体験記」を参考に、「入って良かったな」「GAPに感じた」こと抜粋しました。

良かった事

社会学類2017年入学_A.Dさん

やりたいことが細かく決まっていなくても、社会学・法学・政治学・経済学という幅広い分野から二年生になってからぐらいに決めることができるのがよかった。オープンキャンパスで興味を持った先生の授業やゼミを受けることが出来て、大学生活がとても楽しかった。授業があまりきつくなく、春ABに授業が終わる分夏休みが長いのもよかった。自由放任な授業が多いので、好きなようなスタイルで受けられる。あまり出席を重視せず自分で勉強するというスタイルの授業とかもあって、よかった。やはり興味のある学問だったので、授業が楽しくて楽しくて、よかった。成績も自然と良くなった。

また、他学類の授業もたくさん受けることが出来て良かった。特に私の関心分野と関連して、哲学・歴史学・国際関係学・社会工学などのさまざまな授業を履修していた。社会学類(私の場合は政治学であり、他の専攻だと基準が違うかもしれないが)では上記の他の学類の授業も卒業単位として認められたので、よかった。

社会学類の授業ばかり履修するよりも、いろいろな学類の授業を履修した方が、楽しかった。他学類の授業だから大変ということはなく、むしろ社会学類の授業よりも哲学とかの方がいい成績をいっぱいもらえた。

GAPについて

社会学類2017年入学_K,Sさん

オープンキャンパスにも行っていたので大きなギャップはありませんでした。強いて言えば、カリキュラム上あまり興味のない授業を履修する必要があるということです。筑波大学は他の学類の授業を履修することもできるため、単位を満たすために自分の学類以外の授業履修しなければならないことが多いと思います。

社会学類は、やりたいことが明確に決まっていなくても大学生活の中で見つけていくことができます。一方で、興味の薄い内容も学ばなければならないことがデメリットとなる場合もあります。広く興味があり、その中で自分が興味をもった内容を深く学びたい人にはおすすめです。

 

10.最後に

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